【子供が生まれる前に考えておきたい】海外移住の日本人夫婦/国際結婚別の言語教育

👪 台湾で子育て

海外移住、国際結婚における子供の言語教育は普通と違う

今回お話をすること

カオルコ
カオルコ

こんにちは、カオルコです。

今回は、海外移住及び国際結婚における子供の言語教育についてです。

子供の成長に不可欠な言語教育、海外移住、国際結婚においては、ハードルが一段あがります。大切なお話です。

海外移住、または国際結婚における子育てにおいて大事な言語教育
日本で日本人家庭が育てる普通の場合と大きく異なることを認識しないといけません。

また、日本人夫婦か、もしくは国際結婚(つまりハーフ)か、でも対応が異なります。
今回は、この点についてお話したいと思います。

今回お話しすること

  • 海外移住・国際結婚における子供の言語教育の重要性について
  • 子供の脳の発達に欠かせない第一言語の重要性、なぜか?
  • 海外移住・国際環境という状況では、第二言語・バイリンガル教育を考えたいが、どうすべきか?
  • 親の人種によっても対応が異なり、海外移住で、両親が共に日本人の場合、国際結婚の場合でも対応が異なる
    ⇒それぞれについての傾向と具体的な対応方法を解説

このようなお話をします。

海外移住をして子育てをする方、国際結婚にて子育てをしている方、またはお考えの方にとって、重要となります。

海外移住の子育て、国際結婚家庭(つまりハーフ)の子育て、バイリンガル教育は、言語教育が子供の脳の成長にも影響を与えます。私は、様々なバイリンガル教育の本を読んできて、また、自身の体験と他のご家族の悩みを踏まえて、「失敗してほしくない!」そんな思いから、まとめました。
ぜひともお読みいただければと思います。

子育てにおける言語教育の重要性

生活環境の言語と利用する言語(母国語)

海外移住、国際結婚における子育てにおいて、重要なのは子供の定着言語は何語かということになります。つまり、最初に何語を定着させて、それを日常で使っていくのかということになります。

海外移住、国際結婚においては、親が使う言語とその国の言語、または親同士で言語が違うなど、二ヶ国語以上の言語が使われることになります。

ただし、子供の論理的思考の形成、脳の発達において重要なのは、第一言語は何かということです。

子供は、環境から言語を習得していきます。
特に親が話す言葉を聞いて、覚えて、そして自ら話していくことになります。

二ヶ国語以上が利用される環境においては、ある一カ国の言語を中心になされないと、子供の脳においても混乱を招く可能性があります。

そのため、論理的思考を養い、子供の脳の発達において、母国語・普段利用される言語というのは非常に重要となるのです。

 

日本人夫婦と国際結婚でも大きく異なる

子供の脳の成長過程において、定着させるための言語を決めることが大事という話をしました。

海外移住をしている日本人夫婦の親の場合であれば、通常、生活家庭においては「日本語」が利用される言語になろうかと思います。

しかし、海外でも日本でも、国際結婚をしている夫婦の親の場合、状況は異なります。

  • 母親が日本人で父親が外国人である場合
  • 母親が外国人で父親が日本人である場合
  • 当該外国の方が日本語ができるかできないか
  • その外国人の国籍が、現在住んでいる場所、または異国である場合

それぞれ状況はあると思います。

ここでも同じように、子育てをするにあたって、何の言語を定着させるための日常利用する言語・第一言語となるかがポイントです。

父親と話す時は日本語、母親と話す時は外国語、または、どちらかが日本語も外国語も両方とも使う、このような状況は子供の脳発達過程において、発達が遅れてしまう、論理的思考能力に遅れをとってしまう可能性があるわけです。

対応と傾向のアウトライン

では、どのように対応するべきか。

まず、重要なことは、キーとなる言語は何かを考え、第二言語をどうするかを考えることになります。

キーとなる言語は何か?
言い換えれば、どの言語が生活において最も利用されるかということになります。

国際結婚の場合、まずは家庭生活において利用される言語は、極力統一することが望ましいです。父・母だけでなんとかなるか、家庭・仕事の事情もあり、統一が難しいこともありますが、極力統一すべきです。

通常、母親が働いていないのであればもちろん、母親が子供といる時間が長くなりますので、母親の言語を中心とすることが良いとされます。

海外現地生活では第二言語をどうすればいいか?

とはいっても、子供が幼稚園や小学校など、学校に行き始める等、外での生活が増えてきます。

そして、その外では何の言語が使われているかも重要な要素になります。つまり、子供にとって、自然と第二言語が入ってくるわけです。

この場合、家での言語を第一言語とすることは維持し、海外移住は、外で利用される言語が第二言語となってきます。

こうなりますと、子供は第二言語を問題なく習得できるだろうか…?
心配になるのはよくあることです。海外(台湾)に住む日本人の私も同じでした。

ただし、子供の外国語の習得は本当に早いです。幼稚園で中国語に触れていき、みるみるうちに上達していき、現地校でも問題ないというお墨付きを幼稚園の先生からもらうに至っています。

もちろん、子供自身も幼稚園や学校で中国語を習うため習得するわけですが、圧倒的なスピードで中国語の生活に慣れていきます。

子供の第二言語の成長過程については、こちらの記事「【台湾でバイリンガル言語教育】純粋な日本人の子供が中国語ができるようになるまで」が参考となります。

海外移住において、特に大事なのはむしろ母国語の学習

しかし、ここで重要なのは、むしろ第一言語、母国語の方になります。

子供が小さいうちは、論理的思考能力を鍛えるため、脳の発達に影響をしないよう、徹底して母国語の教育を行うべきことが言えます。

方法としては、以下が考えられます。

  • 家での母国語利用の徹底
  • 家での母国語学習において、さらに有用なのは「読み聞かせ」
  • 幼稚園・小学校の選択によって言語学習を補う

家庭内で第一言語を極力使うことは申し上げた通りですが、さらに有用なのはその言語による「本の読み聞かせ」となります。読み聞かせと、また、本が家にある環境によって、次第に子供が自ら本を取って読むようになり、母国語の習得を加速させます。さらには、子供が本を読む習慣もつき、一生涯役立つスキルにつながるわけです。

こちらの記事「【台湾でバイリンガル教育】基本は母国語 自ら本を読む子へ【生涯重要なスキル】」でより詳細な対応方法を含めて記載していますので、ぜひご活用ください。

また、幼稚園や小学校などの学校で補うことも考えられます。

海外移住先に、必要となる第一言語を教えてくれる学校があるかにはなりますが、例えば台湾の場合、「日本人学校」の存在です(台湾の小学校についてはこちら「【台湾在住。子供の学校どうする?】目的別に小学校選びの不安を解消」)。日本人家庭や日本人含む国際結婚家庭にとってありがたいです。
また、日本語を教える学習塾・補習塾がありますので、そちらも活用できます。

我が家では、台湾における日系の書店(紀伊國屋書店や淳久堂書店など)や、日本のAmazonの海外配送を行い、日本語の教材を購入してさらに日本語学習を徹底しています。

「継承語」とは何か

  • 特に海外移住・国際結婚において、出てくる言葉に「継承語」というものがあります。
    海外移住や国際結婚においては、そこで主に利用される言葉が異なり、利用される言語と、親から受け継ぐ言葉を明確に分けて使う場合に用いられます。
  • 例えば、台湾において、日本人の父、ベトナム人の母というご家族がいます。彼らが普段使う言語は、台湾の公用語である「中国語」です。他方、親から受け継ぐ第二の言語として「日本語」、または「ベトナム語」があります。
  • このような家庭では、そもそも、どの言葉を第一言語(母国語)とすべきか、第二の母国語とも言える継承語をどうするか考えることになります。

各家庭ごとに対応の方向性を見てみよう

ここから、各家庭ごとの言語教育について見ていきます。①母国語の定着、②第二言語の対応という点で話をしていきます。

海外移住における日本人夫婦家庭の場合

海外移住当初は、その国の言語ができないことが多いので、幼稚園は現地語と日本語両方対応可能な学校小学校以降は日本人学校を選択する傾向にあります。これによって、徐々に現地の言語、つまり第二言語に慣れていくことになります。

そして、その上で、現地校に入れるという選択を取る家庭も多く見受けられます。

日本人家庭の場合、日々の生活で使われる言語は日本語のため日本語は身に付きますが、外で現地語に触れることが多くなると日本語の学習がおろそかになります。日本語の読み書きまでできるようになるには家庭での利用では不足します。
そのため、日本語教育は自宅または他の補習塾・読み聞かせや読書で補い、生活を現地語にさせていくという流れになります。

さらに、現地語の教育を徹底するために、子供が小さい段階から家庭教師を雇い現地語の読み聞かせや宿題を見てもらうことも見受けられます。

台湾の場合、一流大学の大学生に見てもらうケースもあり、1時間200元~400元(800円~1,600円)が相場です。我が家も多様しています(今後、別記事でも紹介します)。

海外移住の日本人家庭の傾向まとめ
⇒母国語をしっかり身に付け、徐々に現地語のレベルを上げる傾向

①母国語の定着

  • 家では日本語を使うので母国語として日本語が定着する
  • 海外移住では、日本語教育も重要
  • 特に自宅での学習は重要で、中でも読み聞かせは有効、自ら本を読む子へのSTEP
  • さらに日本語教育を、補習塾で補うケースもあるし、日本人学校を選択するケースもある

②少しずつ現地語に慣れさせる

  • 幼稚園:現地校で日本語ができるところを選択
  • 小学校:日本人学校の他、現地語に慣れてきた子については現地小学校も多い
  • 現地語も養うため、家庭教師を早い段階でお願いして、現地語の読み聞かせをしてもらうことも良い

 

国際結婚夫婦の場合

国際結婚(母が日本語可の場合)

この場合、子供の脳の教育に重要なのは、まずは第一言語をどうするかです。
上記の通り、普段使うことが多くなる言葉を利用することになるでしょう。

ここで、もし、配偶者の母国語(例えば中国語)をキーとするなら、変に日本語を話したりせず中国語を徹底することが大事となります。
繰り返しになりますが、第一言語がキーとなるからです。子供の脳の成長に影響が出かねません。
海外移住における国際結婚の場合、母親の言語がその海外移住先の言語であるなら、母国語としてその言語を利用することになるでしょう。
その上で、第二言語として、父親の言語、日本語の学習を進めることが良いでしょう。

この際、父親が日本人であるゆえ、「日本語はできるようにならなきゃいかん!!!」と口を出す家もあります。言いたいことはわかります。但し、何度も言いますが、まずは母国語の定着は論理的思考の形成・脳の発達にとって重要であることです。まずは母国語の定着と、その上での第二言語の対応を分けて考える方が、長期的に見て良いはずです。まさにバイリンガルの家庭ですので、子供は自然と二か国語を習得していきます。

但し、母親が日本語ができるのであれば、日本語を第一言語として対応することも考えられます。父親も日本語ができるので、家庭内での母国語としての日本語の活用頻度が高まり、母国語の定着が高まります。その上で、第二言語として現地の言葉を外での生活、または母親の言葉が現地の言葉でれば、それが定着していくことになります。

台湾では、父親が日本人、母親が台湾人という家庭をよく見かけます。母親が日本語ができる家庭は、日本語を徹底する傾向にあり、日本語の対応が可能な幼稚園、また、日本人学校に通う傾向が多いと見受けられます。

国際結婚家庭で母親が日本語ができる場合
⇒母国語をどう定着させるか、それから環境を踏まえて第二言語を考える

①母国語の定着

  • 母親の母国語である中国語と日本語が混ざると論理的思考・脳の発達に影響が出ることもあるので注意
  • 海外移住にて、母親の言語がその移住先であれば、第一言語を現地語とする傾向
  • 母親が日本語ができるのであれば、あえて日本語を徹底することも考える
  • 特に日本在住の国際結婚家庭は日本語としやすい

②第二言語の習得

  • 母国語の定着の状況によって、第二言語をどうするか考える
  • 親から習得、学校等の外から習得する環境を踏まえる
  • 幼稚園:現地校で日本語ができるところを選択する傾向
  • 小学校:海外移住では日本人学校を選択する傾向

国際結婚(母が日本語不可)

同じく、子供の脳の教育に重要なのは、まずは第一言語をどうするかです。
上記の通り、普段使うことが多くなる言葉を利用することになるでしょう。

この場合、子供との接触時間が長い、やはり母親の言語をベースとすることが良いと思います。まずは、母から母国語を学ぶ、その上で移住先の言語、父親の言語を考えていくことが良いでしょう。

このケースも、先ほどの国際結婚同様、父親が日本人の場合は、「日本語も勉強しないと!」と焦ってしまうことがあります。しかし、やはり、まずはしっかり論理的思考を行う言語を養うことが先決です。子供の言語習得能力は早いです。日本語が第二言語となっても、日本語は上達します。

大変ではありますが、これがバイリンガル教育の宿命です。

また、学校については、居住先次第にもなります。
台湾での身近なケースを見てみましょう。

まず、幼稚園については、現地語と日本語両方対応可能な学校からスタートさせるケースが多いです。
小学校については、日本人学校がある国では、日本人学校を検討する家庭が多いです。但し、例えば台湾の日本人学校については日本語の面接がありますので、それ次第でもあります。そのため、小学校入学前までにある程度、日本語の対応も必要となるでしょう。

この場合、日本語教育は自宅での教材による学習、または他の補習塾・読み聞かせや読書で対応するのが良いでしょう。

国際結婚家庭で母親が日本語ができない場合
⇒何か国も話すことに注意!母国語の定着を意識することが大事

①母国語の定着

  • 移住先の言語、母親の言語を踏まえて、普段最も使う言語選択する
  • 父親が日本人の場合、日本語もできなければ!と心配する家庭も多いが、まずは子供の論理的思考、脳の発達のため、母国語の定着をする
  • 日本語は第二言語としてもしっかり身に付く、あせってはいけない

②第二言語の習得

  • 第二言語として、父親の言語を考える
  • 親から習得、学校等の外から習得する環境を踏まえる
  • 幼稚園:現地校で日本語ができるところを選択する傾向
  • 小学校:海外移住では日本人学校を選択する傾向

 

 

国際結婚・ハーフ両親家庭で様々な言語を使ってしまった結果・・・

実際にあることですが、子供が幼少期から2つ、ないしそれ以上の言語が使われることになります。

母または父からも2つ以上の言語が出てくることもあります。この場合、なかなか論理思考の言語が固まらず、言語の習得が遅れたり、最悪発達障害を招いたケースもあります。

使う言語だけが原因ではないかもしれませんが、極力リスクは避けるべきと思います。

海外移住・国際結婚の子供への言語教育まとめ

今回のまとめです。

  • 海外移住後またはバイリンガル家庭において、子供の言語教育では、論理的思考と脳の成長の点で、第一言語をどうするかが重要。
  • いずれの家庭のケースも二か国語を習得するバイリンガル教育においてはハードルがある。決して楽なものではない。
  • 何を第一言語とするかについては、両親の人種によっても異なり、どの言語を普段使うのかで考える。母親の母国語となることが多い。
  • 第二言語の学習は、両親の母国語の他、どこに住んでいるかで考える。
  • 海外移住においては、第一言語、第二言語の習得において、学校、補習塾、及び自宅での読み聞かせをはじめとした自宅での教育が重要となる。
  • 読み聞かせ、及び生涯重要となる本を読む習慣の習得については、こちら「【台湾でバイリンガル教育】基本は母国語 自ら本を読む子へ【生涯重要なスキル】」を参照。

 

ここまでお読みいただきましてありがとうございます。
海外移住、国際結婚における子供への言語教育は本当に難しいと思います。
一緒にがんばりましょう。

 

【参考】バイリンガル教育における言語教育の基礎

バイリンガル教育について色々な本を読みましたが、特に参考になったのはこちらです。

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