【台湾から学ぶ】コロナウィルス拡大に対する台湾政府の懸命な対応【人生・ビジネスにも通ずる対応】

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これが世界に評価される台湾政府の対応

TJ-ブリです。

大変残念ではありますが、国際線パイロットの隔離先ホテルでの感染など、諸種要因によって、ここまで抑え込みに成功していた台湾においても新型コロナウィルスの感染が拡大しました。

しかし、これに対する台湾政府の対応が再度素晴らしいと評価されており、
人生やビジネスにも通じるものがあると思いましたので、この記事を書きました。

困難が訪れた時の対応、一国の対応を例にとって学べる機会はないと思います。
ぜひご参考ください。

台湾政府の対応の特徴

  • とにかく対応が国民の健康と安全ファーストで、早い
  • そして、徹底した説明、とにかく国民が納得するまで説明

政策を実行すれば、時には困る方もいます。
例えば、飲食店の店内の食事を停止するという政策について、デリバリーなどを実施していなかった飲食店は、その収益が減少するという直接的影響を受けるため、これに対して猛抗議をする方もいるでしょう。

台湾政府の対応は、このような反論があったとしても、
「感染の拡大を抑えるためにどうしたらいいか」で国民の健康と安全ファーストで行動していることがよくわかります。

そして、衛生福利部部長を筆頭にした政府関係者の毎日行われる記者会見、質疑応答。
毎日、数時間に及び状況と対策等の説明を行います。

毎日戦略を考え、対応を実行するためにまた考えて、そして実行して、
さらに試行錯誤して軌道修正して、その上で、徹底して説明する。

客観的な事実として、これを行うことは並大抵のことではありません。

義務感、タスクをこなすだけの対応、人に評価されたいから、他の権力の顔色を伺いながら、、、ということでは、このような台湾政府の対応はできないと思います。

つまり、そこに、心の底から解決したいという思いがあるからできるのだと思います。

政府が台湾国民の支持を保っていることも、これら事実に基づくものと思います。

感染拡大の状況

感染拡大の発端は、諸説ありますが、国際線パイロットの隔離先ホテルでの感染、パイロット家族等への感染、そこから、台湾各地へ広まったとされます。
そして、特に、台北市内の女性の接客を伴う飲食店、台湾東側の宜蘭ゲームセンターといった観光地での感染、そして、さらにそこから、関係者へ感染・・・

5月中旬以降、毎日200名~400名、またはこれを超える感染者が発生しています。
残念ながらお亡くなりになられた方も毎日10名~20名程度、これを超えることもあります。

改めてコロナウィルスの感染力の脅威を台湾全土が知った瞬間でありました。

時系列ごとの政府対応例

【5月14日台北市政府より】接待サービス伴うような業態等について営業停止を命令

15日から、ダンスホール業、舞踏ホール業、酒接待飲食業、バー、特殊喫茶室業、カラオケ、サウナ、ナイトクラブ、ネットカフェ、ゲームセンターといった業態の営業停止命令。
停止命令の解除時期は未定とされています。

【5月17日 台湾衛生福利部より】台湾居留証を持たない外国人の入境が原則禁止に

5月19日より台湾の居留証を持たない外国人の入境を原則禁止になっています。
外国人の入境を減らし、域内の医療・防疫体制の負担を軽減することが目的です。
併せて、台湾でのトランジット(乗り継ぎ)も禁止になりました。

【5月17日 台北市と新北市にて】

高校以下の学校について、5月28日まで休校にすることを発表。

また、12歳以下の子供がいる保護者は、防疫照顧仮(感染予防・看護休暇)を取得できるが、雇用主は賃金を支給しなくてもよいとされる(つまり無給休暇扱い)。

さらに同日、
これに対して、企業がもし給与支給する場合(つまり有給とする場合)、財政部から、「嚴重特殊傳染性肺炎防治及紓困振興特別條例(以下、特別條例)」第4條の適用が可能と公告されています。つまり、有給休暇措置とする場合には、当該企業に対して該当金額に応じて税金を少なくさせて上げる対応をとっており、これを政府の補助としています。

5月17日の財政部公告の日本語参考訳
高校以下の学校についてコロナウィルスの影響で停止になった場合で、その保護者が停止期間中に介護休暇を取得し、雇用主が当該休暇期間に給与を支給する場合(つまり有給休暇とする場合)、税務申告上は給与費用を二倍計上可能とする規定を適用できるものとする。

高中職(含)以下學校及相關教育機構因疫情影響依規定停課,家長於停課期間請防疫照顧假,雇主給付其員工請假期間之薪資,可適用薪資費用加倍減除

高中職(含)以下學校及相關教育機構因疫情影響依規定停課,家長於停課期間請防疫照顧假,雇主給付其員工請假期間之薪資,可適用薪資費用加倍減除-財政部賦稅署

 

 

特別条例4条の効率を考えた秀逸さ

この特別条例4条、個人的には、政府の管理効率が考えられた、とても優れた制度だなと思います。

国よっては、個人に現金を支給する対応を行っていますが、これだと、振り込みや支給対応をする手間、誰に支給するかしないかを管理する手間がかかり、より政府コストを増加させてしまいます。

他方、この台湾の特別条例4条ですが、税務申告書上、適用可能企業は自身で税金を軽減する申告を行います。もちろん、税金の軽減には、条件に合致していることを示すエビデンス(例えば、法定隔離であれば隔離証明書)が必要となりますが、政府の手間は、税金の申告のチェックのみであり、元々国税が実施しているものに、少し対応が付け加わった程度と言えます。

税金軽減の内容については、簡単に言うと、法律の要請等で従業員が休暇を取らなければならない場合(例えば、海外から帰国後の法定隔離措置)、企業はそれに対して給与を支給しなければならないとされ、但し、その企業の法人税の申告において、当該給与費用の200%を損金算入できるとされています。

つまり、実際に支払った給与が100だったとしても、法人税の申告上は200の費用を計上でき、結果的に差額100×20%(台湾の法人税率)=20の税金を減らせる効果を与えているということになります。

今回、この条文が使え、企業が、学生を持つ従業員が介護休暇を取り、給与支給する場合に、一定の法人税の軽減効果を得られるということになります。要はこの税の軽減が政府の補助代わりということです(利益を挙げていない企業以外は、すぐに恩恵を受けられないという点はありますが)。

【5月18日 台湾教育部より】全教育機関の授業停止

5月19日~28日まで、公立私立を問わず、全教育機関の授業が停止されることになりました。
つまり、幼稚園から大学まで、及び予備校、塾も含めて、全教育機関の対面での授業を停止し、オンラインでの学習に切り替えられることになりました。

【5月19日 台湾政府より】 台湾全土の警戒レベルの引き上げ

台北市、新北市に対する警戒レベル3について、台湾全土へ拡大して、警戒レベルを第3段階に引き上げるに至っています。

感染の拡大が台北市、及び新北市に留まらないだろうという政府の判断です。

【5月20日 台北市と新北市より】店舗や夜市等の飲食が禁止に。

スーパーマーケット、夜市(ナイトマーケット)、量販店、伝統市場などでの飲食が禁止となり、テイクアウトかデリバリーのみ可能となりました。
台北市では地下街、新北市ではコンビニエンスストア内の飲食も禁止の対象となっています。
なお、違反者は伝染病防治法に基づき、3,000〜1万5,000台湾元(約1万1,700〜5万8,500円)の罰金が科されます。

【5月25日 台湾政府、及び教育部より】警戒レベル3及び学校停止措置の延長を発表(~6月14日まで)

新型コロナウイルス感染症対策本部である台湾衛星福利部の中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)より、台湾全土の警戒レベル3を6月14日までに延長することを発表しました(当初5月28日まで)。
また、同日、教育部長は、各種学校の停止措置についても、同様に6月14日まで延長すると発表しました。

【5月26日 台湾衛生福利部より】台湾全域で飲食店の店内利用を禁止すると発表

台湾衛生福利部の中央流行疫情指揮中心より、台湾全域で飲食店の店内利用を禁止すると発表されました。台北市、新北市と同様に、すべての飲食店について、テークアウトまたはデリバリーのみでの営業が認められることになりました。

2週間における台湾政府の迅速な対応

5月下旬までを紹介しましたが、いかがでしょうか。

とにかく台湾政府のアクションが早い、につきると思います。

正直なところ、いきなり全ての教育機関・学校が停止になったことは、共働きが多い台湾では大きな混乱もあったと思います。
これに対しては、今後、小学校以下の児童1名につき1万台湾元の支給等の検討がなされているようです。

日本の場合、憲法に規定される基本的人権の問題等によって大胆な対応は難しいかもしれません。
台湾は、この衛星福利部の部長に権限が付与されているからこそ実行できるところもあります。

また、一人の人に権限を付与しすぎれば、政府が間違った方向に行った場合のリスクもあるのでしょう。

ただ、これも含めて、国民で政治家を選ぶ、という選挙の本質のようにも思います。

この対応の早さ

実施した結果だけを見ればそれまででもありますが、この決定を下すためにも諸種リスクを検討して、また、ある程度リスクをとって対応しているものと思います。

これって、人生やビジネスにも通ずる・・・

ここまで読んでいただいて気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、この話って人生、ビジネス、自己啓発などなど、色々なものにも通ずるものなんですよね。

  • 目的のための早い行動
  • 的確に説明をする

 

ビジネスなら

ビジョン・目的・チャンスに沿った早いアクションは、ビジネスでは大事
ただ、実行するには、同僚、従業員、株主に対する説明と理解が大事

 

資金調達なら

ビジネスを展開するため、資金困難解決のために、早く資金調達先を探す
投資家に対する徹底したプレゼンテーション、事業進捗の説明

 

会社の課題解決(たとえば、給与削減やリストラ)

時間が経つほど、コストは膨らむ、いくら削減すべきか、追加費用はどの程度かかるか、それに向けてできるだけ早くアクションが大事
社内外への徹底した説明が大事

 

自己啓発

学びたいこと、自分の将来のため、毎日でも勉強する、例えば、Youtubeを見て終わりでなく、それを実行する、説明・アウトプットをしてより身につける

 

同じように家族、子供、友人、コミュニティーなど、色々な場面に通じると思います。

 

社会の問題を解決する

自分の課題を解決する

誰かの課題を解決する

本質的には同じである、と感じました。

 

まとめ コロナウィルスの根本的解決に向けて

本当に台湾政府のアクションは早いと感じます。

国民の安全と健康のために「今できること」を懸命に取り組んでいます。

他方で、義務教育のほか、大学、高校、幼稚園、塾、予備校、いかなる学校や授業も停止措置にしましたが、台湾に多い共働き家庭では混乱も生じたのは事実でしょう。

しかし、今、すぐに対応しなければ感染拡大を防ぐことはできません。
感染拡大を食い止めるためには、政府としても苦渋の決断と対応であると思います。

政府は、「今できること」を真剣に取り組んでいます。

そして、長期的にコロナウィルスの問題を解決するためには、ワクチンの普及が重要となります。

国際的立ち位置の問題から、なかなかワクチンの輸入が難しい状況ですが、日本、アメリカからのワクチンの供与も受け、輸入についても交渉を進めており、また、台湾国産のワクチンの普及の目処が立ってきています。

多くの人の命が関わるこのような事態に複雑な国際問題が絡みつくことはとても残念でなりません。

一刻も早い解決を望んでいます。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。

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